最近、就職相談で大学生と会話する機会があり、そのたびに思い出す言葉がある。

 

あみだくじで決めろ!

 

20代の頃リクルーターをやっていた時代に、マネージャーがよく口にした言葉のひとつで、会社として採用する方向でフォローを続けてきている学生が他社と迷って決断しかねていたり、結局は自分次第なのにもかかわらず、企業一社一社を比較検討しながら安心材料を探している、つまり会社組織に依存しようとしている様子が伺えた時に飛び出す言葉である。

 

冗談のようであって冗談でない。ものすごく荒っぽいセリフのように聞こえるが、表現の問題はともかく、とても本質を突いていると自分は思っている。

 

あみだくじで決めろ!

 

そこに込められるメッセージとしては「就職活動のゴールは、どの企業に内定するか、どの企業に入社するかじゃないよ。一人前のビジネスマンになること、もっと言えば、その先に仕事のやりがいや面白味を見つけ、充実した人生にするために頑張ることだよ。」である。

 

関西風にもっと平たく言うならこうだ。「さっさと決めんかい!決めることが大事や。人間ちゅーのは決めたら、その事実を肯定すべく前を向いて頑張る生き物なんや。会社に入ってからが大事なのに、その手前で何をウジウジ悩んでるねん。そんなの何の意味もないから、いっその事、あみだくじで決めてしまえ!」

 

もちろん、学生を目の前にここまでの乱暴な言い方はしないが、ここぞ!という時にはこれくらいの気迫で詰め寄っていたようにも思う。

 

自分という人間は、「偶然の出会い」や「偶然の出来事」を「ご縁」「運命」「神のお告げ」といったものとして受け止め、信じて生きることで、思いがけない可能性と出会えたりする。だから人生は面白いものなのだと信じて止まない人間だから、あみだくじの結果そのものも「運命」だと受け止めるのもあっても良いではないか。それを信じて進むのも決して悪くないと思う。

 

あまりに話が極端ではあるが、ここぞという時に思い切った決断ができるかどうかも大事な能力だと自分は思っている。

 

それに、たかが10年程しか組織で働いていないし、企業経験もたったの2社だけ。偉そうなこと言えた口ではないが、しかし、独立後も大小さまざまな業界の企業をみてきているが、どの業界のどの仕事にもやりがいや面白味を感じる。これだけは胸を張って言える。

 

リクルーター時代の後輩の言葉ではあるが、「仕事は球体。切り口が違うだけ、突き詰めていったら本質部分は同じや。」その通りである。いつもそれを横で聞いてうまいこと言い表すなあと感心していたのを思い出す。

 

話を戻すが、本質を突いているからと言って、40歳を超えた今も「あみだくじで決めろ!」などと話すことはないが、自分自身のくだらない就職活動の話をしながら、ひとつ大事なメッセージだけは伝えるようにしている。

 

「皆が行う就職活動の時もアメフトのことばかり考えていた。その結果、選択肢ひとつという中で就職企業を決めた。しかも体力採用枠だから勝ち取ったというより拾ってもらったようなもの。恥ずかしい話、何の事業をやっている会社なのかもろくに知らぬまま入社した。信じられないやろ?」

 

そして、「でも、先輩や上司に恵まれたのが唯一の救いやったよ。パッパラパーの自分とよく我慢強く向き合ってくれたなーと改めて思うことがある。当時は辛かったけど、そういった人たちとの出会いがなければ、今頃どうなってたんやろう・・考えるだけでゾッとするよー。」と付け加えるようにしている。

 

「何をするか」ではなく、「誰と働くかが大事なんだよ」が自分からのメッセージだが果たしてどう伝わっているのかはわからない。「へえー、こんな適当な人生を送ってきている人もいるんだ・・・」という解釈で終わってないことを祈りたい。

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