先週金曜の出来事である。朝10時からの打ち合わせが無事終わり、丸の内線改札へと向かっているその時激しい腹痛に見舞われた。

 

キューキュルルルル・・・

 

昔からあまりお腹が強い方ではなかったので、聞き慣れた音ではあるが、ここ数年ここまでの激痛を経験することはなかった。

 

原因は明らか。前夜に飲んだ大量の日本酒、それに加え、酔い疲れ果てて帰宅した後シャワーも浴びずに下着姿のまま寝てしまったから。しかも、除湿つけっぱなし、扇風機つけっぱなしの状態で、寒さのあまり飛び起きた。

 

それから満員電車に揺られ新宿に向かうも、いつもにも増して大量の汗。ハンドタオルで拭いても次から次へと流れ落ちてくる。汗かいているにもかかわらず、どこか嫌な寒気がする。いつその時がくるかとビキビクしていたが、局面をむかえることもなく、無事目的地にたどり着き、打ち合わせも難なく終えることができた。

 

事が起きたのは、この直後である。

 

朝食どころか、水一杯も口にすることなく、打ち合わせに突入、盛りだくさんの氷がつまったアイスコーヒーがとどめを刺したのだろう。

 

ゆっくりゆっくり波が近づいてくる。瞬間的に激しい痛みが突き上げてくるが、臀部をキュッと引き締めると何とか持ちこたえるが、また激しい痛みが突き上げる。そんなのを何度か繰り返した。

 

明らかに間隔が狭まってきているのを感じとり、乗車前に済ませておこうと最寄りのトイレに行くも和式便所しかない・・。和式とはかなり相性がよろしくないのと、まだ多少たりとも余裕があったため見送り、小田急デパートへと突入した。

 

どうせなら、デパートの広々とした洋式トイレで、ゆっくり寛ぎながらがいいなあ〜と妄想していたその時、その日一番の波がきた。尻に火がつくとはこのことか。より臀部を引き締め、歩幅を縮め、回転数を上げながらデパート内のトイレの在り処を確認しながら歩き回った。

 

小田急デパートの地下2階のトレイに駆け込むも満室状態。なんとなく階段側にトイレが設置されているのを把握していたため、地下1階へと進むもそのフロアには女子トイレしかない。その後も1フロアずつトイレの設置状況を確認しながら階段を駆け上がるも、そもそもトイレがなかったり、トイレがあってもどこも空いていない。

 

ひと通り終わったくせに、便座で寛いでるんじゃないよ!

 

3階くらいだっただろうか。そのフロアも満室なのを確認した瞬間、もうここからは何が起きても仕方ないと腹を括ったのを覚えている。

 

仮にもしものことが起きた時はどうなるんだろう・・・

このあとの青山でのミーティングまで少し時間あるから家に帰れば・・・

やっぱり家にはタクシーで帰ることになるのか高くつくなあ・・・

 

最悪の事態を想像するも、「いやいや、もしものことはない!」と自分を奮いたたせ、そこから回転数を上げて、階段を駆け上がった。

 

そして、ようやく空室を見つけた時は、7階にまで上りつめていた。すぐさま飛び込み、ズボンを下ろし、便座に腰をかけて・・・なんとか死闘を終え、我に返ると、全身汗まみれではあったが、なんとも心地よい開放感と余韻に浸りながら、デパート到着からこれまでを回想していた。

 

しかし、普段ろくに運動もしていないデブがよくここまで階段を上がってきたなと。シラフの状態で地下2階から7階までを階段で駆け上がることはまずないなと。目的があれば、なんでもできるものだなと。目的もあまりに現実離れしたものよりかは分かりやすく具体的なものがいいのかもしれないなと。そして、やっぱりやらざるを得ない状況をどう作るかが大事なんだろうなと・・・。

 

心地よい開放感と余韻に浸りながらどうでもいいことをあれこれと考えているうちに、30分もの時間が経っていた。

 

ひと通り終わったくせに、便座で寛いでるんじゃないよ!

 

自己矛盾に嫌悪感をおぼえながら、青山のミーティングへと向かった。

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