今宵クリスマスイブ!

 

どこからともなく、山下達郎の歌声が聴こえてくる中、思い出すことがある。

 

かれこれ3ヶ月前の話になってしまうが、名古屋出張の帰りの出来事である。

 

あまりの疲労に怠けて、名古屋駅乗車と同時に、タクシーで帰宅することを決心して、東京駅に到着するやいなや、日本橋口へと向かった。

 

自宅のある浅草まで気持ち安上がりであり、また八重洲口には人だかりができているが日本橋口は混み合うことがほとんどない。

 

ただし、降車専用ロータリーのため乗り場がなく、タイミングが悪いと長時間立ち往生してしまうことがなる。

その日は、遠目からタイミングよくタクシーが停車するのを確認し、ダッシュはできないが急ぎ足でロータリーへと向かい、無事つかまえることができた。

 

しかも、これまで乗車したことのない黒塗りの高級車だ。個人タクシーだろうと思ったが、よく確認したら日の丸タクシーだった。

 

image

 

ただ、単なる日の丸タクシーではなく、日の丸リムジンとよばれるものらしく、選ばれし優秀ドライバーしか運転できず、常時ドライバーに専用車が与えられているようだ。

いろいろ話を聞いていくと、個人タクシーとほぼ同様の仕組みであることが分かった。

皮張りのふかふかシートに加え、何とも言えない安定感ある運転ぶり。

 

なにより、助手席が最前まで引き寄せられているため、デブな自分でもゆったりと足が伸ばすことができ、自宅のソファでTVに座っているかのよう。とても寛ぐことができた。

 

すると、どこからともなく、「竹内まりや」の歌声が聴こえてくる。

 

柄にもない・・気持ち悪い・・と叱られそうだが、中学生以来「竹内まりや」の大ファンである。

オーディオはOFFなのに、どこから聴こえてくるかと思ったら、助手席にポータブルDVDプレーヤーが置いてあり、そこから流れてきていることが確認できた。

 

ブログにも書いたことがあるが、以前乗車した個人タクシードライバーも同じように助手席にラジカセを置き、乗車客の好みの曲を流すというサービスをやっていた。

今回は2度目とあり、さほど興奮することもなく、「どうやらタクシー業界で流行りはじめているんだな・・」と心でつぶやきながら静観していた。

 

しかし、次々流れてくる竹内まりやの透き通るような歌声を聴いていると、出張疲れもどこか吹き飛び、また悪いクセで運転手さんにあれこれと質問をはじめてしまった。

 

すると、次から次へと面白い話を聞くことができたので、この場でふたつほど話の内容を紹介したいと思う。

 

ひとつは、なぜ「竹内まりや」なのかということ。

 

2014年11月の出来事らしいが、たまたま2人組が乗車したらしいが、そのひとりが「竹内まりや」だったとのこと。もうひとりはマネージャーだろうか。考えても分かるはずないので、マネージャーということにしておく。

 

帽子×サングラス姿だったため、乗車時はまったく気付かなかったらしい。

 

ところが、その時に流れていた曲が「山下達郎のクリスマスイブ」だったらしく、「竹内まりや」が我慢を切らせて、「それ、わたしの旦那の曲なんです。ありがとうございます!」と話しかけてきたようだ。

 

それからというもの、「竹内まりや」と「山下達郎」は常連客というからビックリ!!

付け加えると、自分は「竹内まりや」だけでなく、「山下達郎」の大ファンでもあるため、この時点でテンションMAXである。

 

image

 

もうひとつは、ドライバーのこだわりについて。

 

ドライバーは、平井ひとりさんという名前で、もともとは美容師をされていたが、いろんな背景の中で、タクシーに乗るようになったらしい。

 

ドライバーになりたての頃は、モチベーションはえらく低かったらしいが、ある時「このままではいけない!」と突然思い立ち、「またこのドライバーの車に乗りたい!」と思ってもらえるよう、いろんなサービスを考え実践したと話してくれた。

毎日100円ショップでキャンディー数種類を購入し乗車客に配るということからはじまり、ビニール傘は常時10本以上トランクに積み込み、傘を持ち合わせていない乗車客に無料配布するとのこと。

 

まあ、ここまでのサービスなら実践しているドライバーも少なくなさそうだが、すごいと思ったのはここからだ。 

夏場限定にはなるが、毎朝早起きして、家族総出で、冷やしおしぼりをつくるそうだ。そして、クーラーボックスに入れて、乗車客に配るということを日々実践している。簡単なようで真似できることではない。

 

あと、これはタクシーで携帯を紛失した方から分かると思うが、発見にすごく時間を要する。わたしも何度となく経験している。見つからない場合がほとんどだが、見つかった場合であっても事務所のある僻地まで受け取りに行かなければいけない。

平井ひとりさん曰く、携帯の紛失が本当に多いらしく、だから毎回声かけはするがそれでも撲滅することはできない。

 

ドライバーとして何ができるかを考えた時に、降車時にチェックすることも心がけているようだが、どうしても死角があったりするため、完全には撲滅することができないため、領収書とおつりのセットを小さなビニールに入れて渡すことを思いつき始めたそうだ。

すると、連絡先が明らかな上に、ビニールに入っているので他の領収書と混在することなく、忘れた場合であっても本人の手元にお返しすることができると少し誇らしげに話してくれた。

image

どうすれば、「またこの車に乗りたい!」と思ってもらえるのか・・日々試行錯誤しながら実践しておられる姿に心を打たれ、自分の仕事にも通じるところは多々あると考えさせられたのを思い出した。

 

チャンスを摑む人というは、日頃からその準備に取り組めている人だとよく言うが、平井ひとりさんもその一人に違いないだろう。

 

かたや自分はといえば・・・

「山下達郎」はいま全国ツアーを行っている。ファンである自分は、関東圏や関西圏の開催を狙っては、何度となく先行予約するもことごとく外れてしまっている。

今宵クリスマスイブ!

もし、今年一年の自分の取り組みが正しかったならば・・もしかしたら・・このブログをみたファンクラブ会員あたりからチケットを譲り受けることができるかも・・などと淡い夢を抱いている自分が本当に嫌になってしまう。。