現在、年間プロジェクトのひとつとして、ある企業の営業チームの強化に取り組んでいる。

 

昨年の秋ごろになるが、知人の紹介で社長とお会いしたことがキッカケ、営業に課題意識を持っておられたため、年末年始にかけて何度か打合せを繰り返し、また社員数名とのインタビューも実施し、今年2月から正式にプロジェクトをスタートした。

 

ある企業というのは、昭和40年代から続く医療業界に特化した印刷会社で、病院内のあらゆる場面で使用される10種類を超える帳票書類をはじめ、印刷物と呼ばれるもの全てを病院から受注し、企画制作から納品までをワンストップで行っている会社。

 

従業員数は30名程度。企画、制作、営業の大きく3つのチームから構成されている。今回強化対象である営業チームの内訳はというと、営業マネージャーが2名、メンバー4名の合計6名。いわゆる中小企業である。

 

長年にわたり特化した分野で企業活動を行ってきたこともあり、濃淡はあるにしろ、一都三県のほとんどの病院との関係性が築けている。一方、年々電子カルテを導入する病院が増えてきており、数年前から業績が少しずつ落ち込んできており、深刻化する前に手を打ちたいというのが社長の考えだった。

 

悠長なことを言うつもりはないが、電子化といっても導入コストが高額なため、どこの病院もが導入できるわけでもないし、仮に導入されたといっても、病院内から紙が無くなることはない。

 

帳票類が電子化されたとしても、病院側に立てば、患者確保が存続の鍵となるため、地域の病院との連携、地域住民に向けた告知のためのパンフレットや広報誌といったニーズはまだある。

 

しかし、チームとしての方向性が明確に定まっておらず、日常的に電子化が進む状況を目の当たりにしてきている営業マンとしては、不安や疑問が拭いとれない状態でのスタートだった。

 

当初2ヶ月間くらいは、週1回、営業の基本を確認したり、顧客について勉強したり、具体的ケースをもとにチームメンバーと議論したり・・といった座学を行っていたが、いろいろあった結果、今は大きく舵をとりなおし、営業同行を行いながら、本当の意味での現状把握と新規サービスの模索に取り組んでいる。

 

まだ現状把握の段階ではあるが、すぐ取り掛かれることから、ひとつひとつ地道に取り組んでいる。その内容を少しばかり紹介したいと思う。

 

ひとつは、既存顧客に対して自社を正しく認知してもらうこと。

 

印刷物といっても多岐にわたる。細かいもので言えば、名刺、封筒関係。そして、帳票関係や広報冊子やパンフレット類などさまざま。それらすべてを任せてもらっているケースもあれば、名刺や封筒関係といった一部印刷物しか任せてもらえていないこともある。

 

長年の付き合いの中で担当者が同じであるわけではない。担当者が変わるたびに、正しく引き継がれていることは珍しく、現担当者には名刺屋さん、封筒屋さんといった認識をされているケースもあったりする。名刺や封筒以外にもできることはたくさんあるのに・・・である。

 

印刷物の多くは消耗品であり、顧客ごとに曜日を決め、定期的に訪問しているが担当が変わったからといって、イチから改めて会社や事業サービスに関する説明を行うことはほとんどない。

 

長年の付き合いの中で、自社を知ってくれているだろう・・と勝手に思い込んでいたり、ついつい現在発注いただいているものを納品することに終始してしまっていたりする。

 

こんな状況を踏まえ、会社案内を刷新し、担当者にサービス一覧を見ていただきながら口頭補足をしてみると、「おたく、こんなこともできるんだね。」といった嬉しい反応が結構な割合で返ってくる。

 

自社を正しく認知してもらうのと同時に、新しい製品に関する状況をヒアリングし、機会を探りながら、競合企業をひっくり返しにいくこと、その次の段階として、新規顧客の掘り起こしを取り組んでいくことになる。

 

もちろん、上記だけでは、価格競争に持ち込んでいるだけとも言えるので、利益に着目して、これまで培ってきた強みをどう活かしていくかを考え、新サービスや仕組みづくりへと展開していくことになる。

 

今はただただ営業マンの運転する車に乗り込み訪問に同行している。移動の車中での会話といえば、業務のこと、顧客のことはもちろん、人生のこと、プライベートのことなどさまざま。いろいろ会話していると、面白いアイデアが湧き出てくる。それをまたメンバーと共有し実践してみたり、定期的に社長に提案を行っている。

 

道半ばともまだ言い難い段階ではあるが、最近になって嬉しいことがあった。

 

これまでは、電子化の波に絶望感や諦め感を抱いていたメンバーの様子が変わってきている。これまで経験したことのない新規開拓に乗り出しているのだ。

 

最初のうちは、どこかしらやらされ感があったり、温度感にばらつきあったが、今ではチームとして取り組んでおり、こころなしかメンバー個々の表情もどこかイキイキしてきている。おかげで、自分までもがすっかり刺激や勇気をもらっている。

 

昨日も営業同行だったのだが、その帰りにふと思ったことがある。

 

改めて、世の中に得策と呼ばれるようなものはない気がする。むしろ、世の中で大事だと言われていることは、すでにみんなが知っていることだったりするような気がする。ビジネスにしてもスポーツにしても然り。

 

しかし、合理という名のもと面倒なことを省いたり、ついつい徹底したり継続することができなかったり、我ごとなのにもかかわらず、考えるのを止めて人任せにしまっていたり・・・。

 

リードブロッカーとしては、そのあたりにグイッと入り込んで、お客さまとともに取り組んでいきたいと改めて思った。よっし、頑張ろう!!

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